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「SMP・形状記憶」造形後に熱を加えることで自由に形を変えたり、元に戻せるフィラメント!

2022.03.23

SMPフィラメントはキョーラク株式会社と株式会社SMPテクノロジーズが共同開発したSMP(shape memory polymer)形状記憶フィラメントです。
お湯やドライヤーを使い55℃前後で温めると柔らかくなり、造形物の形状を変更できます。
一度形状を変更した造形物は、再び55℃前後で温めれば造形時の形状に復元します。
SMPフィラメントは生体適合性も獲得しており、メガネ・ギブス・マスクといった直接肌に触れる部分への使用も可能な素材です。
材質はポリウレタン樹脂のためフィラメントの種類としてはTPUに該当します。
硬度はPolyflexなどのフレキシブル樹脂よりも遥かに硬く、PLAに近いです。

形状記憶フィラメントの強み

熱を加えると元に戻るフィラメントは非常にユーモアで興味を引きますが、実際に活用するとなるとアイデアが必要です。
SMPフィラメントの活用例を紹介していきます。

・ワンオフでの型取りに

個々によって形状が異なる生き物のギブスや型取りをするのに有効です。
特に肌に触れる物は最適な形状を取るのにトライ&エラーが必須です。
SMPフィラメントは失敗しても形状を戻して繰り返して使えると共に生体適合性も獲得していることから使い勝手が良いといえるでしょう。
また熱を加えるだけで簡単に変形できるので建築の現場で部分形状の型取りに使いたい時などに便利です。

・造形の時間短縮・材料の節約に

3Dプリンターで立体物を作るとなると複雑な形状はサポートを多用するので1個の造形で大量の材料と時間が掛かってしまうことがあります。
モデルの変形・やり直しが出来るSMPフィラメントならば、平らな板状のモデルを造形して後から熱を加えて立体物を作成することができるので造形時間が大幅に短縮できます。
また板状のモデルはサポートを必要とすることが殆どないので材料の節約にもなります。

造形テスト

使用機種:Raise3D E2
使用フィラメント:SMPフィラメント
メーカー名:キョーラク株式会社/株式会社SMPテクノジーズ
積層ピッチ:0.2㎜

今回は後加工で形状を変えていくので、手首を固定するリストバンドを造形していきます。

メーカー推奨設定
・ノズル温度:195~210℃
・造形スピード:30~50㎜/s
・ビルドプレート温度: 加熱不要
・ビルドプレート状態:普通 (BuildTak推奨)
・ノズル径:0.4㎜以上(通常ノズルで可能)
・積層ピッチ0.1㎜以上
・フィラメント径1.75㎜
・カラー:クリア

造形テンプレートは既存のRaise純正PLAのテンプレートを使用しました。
プリントベッドの過熱は不要で糊付けなどの定着材も必要ないとのことでBuildTak上に直接プリントしました。

プラットフォームへの定着性

順調に造形できており定着性も問題ない印象です。
フィラメントがクリアなのでフィラメントセンサーが誤作動する可能性があります。
SMPフィラメントを使う際は事前にセンサーをOFFにすることをお勧めします。

完成・仕上がりについて

完成品です。
多少の糸引きとバリが出ていますが、反りやノズル詰まりはなく簡単に造形できました。

お湯に浸し柔らかくなったところで手首の形状に合わせていくと、この様にギブスが完成します!

形状記憶の性能を確認!

お湯で一度、成形した造形物に再度熱を加えることで直ぐに元の形状へ戻りました!
想像していたよりも早く元通りになるので驚きです!!

注意点
・推奨温度よりも高い沸騰したお湯などは使えない
SMPフィラメントの形状記憶効果は温度が50~60℃前後である必要があります。
それよりも高い温度、沸騰したお湯に浸してしまうと柔らかくなりますが、記憶された形状がリセットされてしまいますので造形時の形状に戻すことはできません。

・形状によっては綺麗に元には戻らない事も
造形物の形状や厚みによって様々な要素が影響するため、正確な復元はできません。

・ヤケドに注意!
50~60℃と高温の熱を加えるため、変形させる際にはヤケドに十分注意して取り扱う必要があります。

ご興味のある方は弊社ホームページ問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。

 

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