今後に期待!3Dプリンターとアパレル業界の発展が始まる!?

今や3Dプリンターの活躍は、アパレル業界にまで大きく広がるを見せています。アパレル業界では数年前から3Dプリンターが注目されており、現在は有名なコレクションでも3Dデザインの洋服が発表されています。今回は昨今アパレル業界で注目されている3Dプリンターと、アパレル業界の発展についてお届けします。

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3Dプリンターで服を作る時代が到来?

本来、服は人の手によって作られていたモノづくりです。素材形成、パーツ作り、パーツを合わせて仕上げる、これらの製作段階を踏んで一つの服が完成します。しかし、3Dプリンターを活用すると、考案したデザインに沿って0から服の完成形にまで仕上げることができます。製作する服のアイテムの種類によって、プリント素材に関しては調整が必要ですが、上手く3Dプリンターを活用する事で従来のアパレル業界を根本から変えてしまう、画期的なデザイン方法と言えます。

3D構成したデータが可能な3Dプリンターでは、デザインにパターンは不要です。デザイン情報、出力機器、材料さえ揃っていれば、自動的に洋服を完成させる事ができます。また、対象の身体構造をサンプリングして3Dデータ再構築が可能なので、3Dプリンターでの服製作のメリットは、より手軽にオートクチュールのような品質を実現できる所にあります。実際に、個別に体形をスキャンして、縫い目のない洋服を製作するサービスを展開している施設も存在しており、主に大手デパートのファッション部門、企業規模が大きく予算確報しやすい施設等、取り組みが開始されています。今までの洋服製作に関する工程を大きくカットする事ができるので、人員やコスト削減の貢献にも繋がります。

アパレル業界のデザインの歴史と歩みとは?

①従来のファッションデザインの方法

◆デザインとパターンで生み出されるデザイン

従来のファッションの作業は、一般的に2つの要素に分ける事ができます。まず、一つ目はデザイン、2つ目はパターンです。デザインは服の形状、カラー、シルエット、ディテール等の事を指し、従来のデザイン方法では、デザイン画と言ってその服を身にまとった人をイラストに描く事で洋服のデッサンを行います。

そして、パターンはそのデザイン画を元にして、実際に服を作る際の型紙を作成する事を指します。このように、従来のファッションデザインは、デザイナーが洋服のデザイン画を描き、パタンナーがデザインを元にして立体裁断が行われます。その後、マネキンの上で布を動かしたり切り貼りしたり形を作って、それをパタンナーが立体から平面図に落とし込んでいく方法です。このように、従来のファッションデザインの方法は、人の手によってデザインが作られていくのが通常でした。

ハイヒール

◆アパレルに必要なサンプル制作問題

従来のファッションデザインの手法では、問題があります。考案したデザインを実際の生地で服にした状態を確認する為に、服のサンプルを縫製工場に依頼するケースがよくあるのですが、複数回のサンプル発注と修正を経て、服の完成形を目指していきます。そのサンプル製作する前段階に、パタンナーがパターンを作成するにあたって、立体の状態で確認するトワルを製作する必要があるのですが、その過程ではトワルが大量に制作されます。なので、不要廃棄されてしまうトワルの資源が無駄になる事も多く、この資源の無駄が問題の一つとして挙げられていました。

②デジタルデザインツールが登場する

◆サステナビリティを大事にする風潮が広まる

現代では、従来のファッションデザイン方法に対する問題点を踏まえて、ファッション業界でサステナビリティという言葉が浸透しつつあります。サステナビリティとは、持続可能性・持続する事ができるという意味があり、現代のデザインプロセスでは未だサスティナブルとは言えない状況ではありますが、これを改善するツールとしてアパレル3DCADがアパレル業界に登場しています。

アパレルCADとはPC上で服のパターンを設計する事ができるツールです。それに3Dが付くので、PC上で布と縫製のシミュレーションが可能になるのです。CAD上で製作したパターンを、縫製して立体で確認する工程がPC内で全て完結する事ができる為、物理的な廃棄物も一切出ないという環境に良いメリットが大きく注目されています。これにより、今までのトワル廃棄問題を一気に改善できるという事になります。更に、この事は決してパタンナーの仕事を奪うものではありません。無駄な手間と時間を省く事ができる事によって、よりアパレル製作に関する色々な試みを実験できる機械を与えてくれる画期的なツールとして、ファッション業界では昨今大きく注目を浴びているデザインシステムになっています。

◆ファッション3Dモデリストの導入が広まる現代

従来の洋服生産工程では、パタンナーが作成したパターンからトワルを用いて調整を行い、実際に洋服のサンプルを作ってみて、そこから微調整をしながら再びサンプルを作るというように、2Dと3Dの作業を繰り返し完成型の洋服を作り上げていきます。そのサンプル作成費用は、日本のアパレル産業において約4400億円にのぼります。この繰り返されるサンプル作成コストをトワル仕組みの段階から3D技術を採用する事で、コストを削減したショートカット生産が可能になる為、劇的に生産効率アップに改善できるとして、ファッション3Dモデリングが現在のファッション業界ではちゅうもくされています。

3D技術はテクノロジーの発達により、現物と見分けがつかないほどの3Dデータを作成する事可能になっています。なので、3D技術があればサンプル作成工程は特に必要な物ではなくなります。むしろ、パターン作成と3Dデータ作成がスムーズに行われる事で、ファッション業界の課題に繋げていく事ができます。

◆3Dモデリング導入の将来性

現代では、次々に大手グローバルブランドが3Dモデリングの導入を進めています。モデリングの導入は、従来のファッショ業界における莫大なサンプル経費削減はもちろん、量産に至るまで、デザイン決定期間も約半分程度に短縮する事が可能で、機械損失を減らしたり生産過剰での廃棄を抑えたり、実益とブランドのイメージアップにも貢献しています。今後のファッショ業界では、3Dモデリング技術は必須になる事が予算されており、3Dモデリングを学ぶ事で、就職・転職・キャリアアップの可能性も大きく広がると言われています。また、ブランドを立ち上げ起業や独立する場合にも、大幅なサンプル経費削減が可能なので、生産期間が短縮できる点は多方面において有利になります。

③3Dデザインによる新たなデザインの可能性

◆従来に比べて数倍の試行錯誤を同じ時間内でできる

3Dで服のシミュレーション可能なソフトが使用できるようになる事で、大きなメリットを発揮してくれます。例えば、パターンとデザインの知識を持ち合わせたデザイナーを例にすると、通常であればデザイン考案、パターン起こし、布の裁断・縫製、実物大のサンプル確認が必要です。この工程が3D技術の活用によって一気に省略されるので、服に関して試行錯誤できる時間が増え、その時間は服を修正する為のシミュレーションに使う事ができるので、従来に比べて数倍の試行錯誤を同じ時間内でできる事になります。

◆現実の物理法則を超越したデザイン環境

3Dでデザインする事は、従来のデザインに比べて簡単に複雑な線を描ける事を意味しています。さらに、一度描いた線やパーツに関しては、コピーペーストができる点も便利な所です。複雑な線を描ける事でデザインの可能性が今以上に広がるので、今まで諦めていたようなデザインも形にして製作する事ができます。

3DCADでの製作過程では、平面と立体を行き来するデザイン感覚が研ぎ澄まされて、紙上では簡単に試す事ができるからこその利点で、ファッション業界での3Dシミュレーションは現実の物理法則を超越したデザイン環境と言えます。

④今後アパレル業界

◆ITテクノロジーの進化

近年nアパレル動向として見逃せないのが、ITテクノロジーの進化です。アパレル業界では例外ではなく、3Dデータを解析したパターン作成や小ロットテキスタイル作成等、幅広い分野で3Dプリンター技術は注目されています。なので、これからのアパレル業界では、手描きでデザイン画を描く事からPCで描く時代になり、素材や加工等のサステナビリティに配慮した生産が進んでいきます。世の中の多様化するアパレルのニーズに配慮しながら、時代に新たな突破口を開くファッションデザインとして、3D技術が活躍する場は大きくなっていく時代になります。

◆世界のファッションでも高評価

3Dプリンターによる洋服がいかに高品質を誇るのか、その実力と可能性を証明する場として、最先端ファッションを発表する場である春夏オートクチュールコレクションで、世界的に有名なある一人の女性デザインナーが披露した事は有名な話です。有名ファッション誌でもよく取り上げられる彼女は、2013年の春夏オートクチュールコレクションで3Dプリンター作品を発表し、2015年には彼女が手掛ける3Dプリンター作品の特集が組まれる程大きく注目を集め続けています。現在では、様々な有名ファッションブランドで3Dプリンターを活用したアパレルが色々なコレクションでお披露目されており、世界的に3Dプリンターを活用したアパレルデザインの活躍は高まっています。

⑤3Dプリンターのアパレル制作の未来

昔は、3Dプリンターで価値用できる素材はプラスチックのみでしたが、現在はポリエステルと綿を含む素材もプリント可能になっています。樹脂素材でプリントを行うタイプ、液体素材噴霧で形成するタイプ等、様々プリント手法があります。アパレル業界で3Dプリンター運用が広がれば、今以上にもっと自由で快適な服の製作が実現できるようになります。

黒いスニーカー

日本3Dプリンターのロゴ

日本3Dプリンター編集部 Raise3Dチーム

日本3Dプリンター株式会社では、3Dプリンターや3Dスキャナーの導入を検討している方向けに、最新の情報を発信していきます。

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