ロシアの3Dプリンター工場(2050.AT)–3Dプリンターで工場生産を最適化へ

ロシアの3Dプリンター工場

2050.ATはロシア最大手の鉄道設備メーカーTransmashholding / Lokotech グループの一部門です。同部門は機関車輸送会社向けに3Dプリントで機能部品を製造しており、金属溶射、レーザークラッディング、プラズマ表面処理などの新しい方向性も模索しています。2018年以前から4台のRaise3D Pro2(販売終了)が活用されており、その後16台が追加導入され、現在では20台のRaise3D Pro2で構成される3Dプリンター工場となりました。
(※現在は後継となるRaise3D Pro3をご案内しています。)

2050.ATの3Dプリンター工場

2050.ATの3Dプリンター工場

2050.ATの3Dプリンター工場

2050.ATテクニカルディレクターIgor Konovalovと、3DプリンティングプロジェクトマネージャーAndrei Stepanovに、輸送技術における3D技術の経験についてインタビューしました。

鉄道産業における3Dプリンティングの応用

Raise3D:2050.ATを含むTransmashholding / Lokotech グループは、3Dプリンターを活用したデジタルプラットフォームを構築していますが、どのようなシステムですか?

2050.AT: まず、機関車、トラクターなどの機能構成部品の倉庫や修理工場を訪問し、問題のある欠陥品や欠品している製品のリストを作成します。これらは、製造中止となった構成パーツまたは設計データが失われた製品である可能性があります。

次に、必要に応じて、構成パーツをスキャンする、もしくは特別なプログラムで3Dモデルを作成してリエンジニアリングします。そして、この構成パーツを3Dプリントします。塗装が必要な場合は、塗装工場に渡し、必要に応じて後処理を行います。

Raise3D:3Dプリントプロジェクトの事例を教えていただけますか?

2050.AT:

線路を移動させる際に使用する設備

これは私たちが3Dプリンターを使用して製作した、線路を移動させる際に使用する設備です。 (ロシア語では「strelnik」)

Ivolga電車のビデオミラーカバー

これは、Ivolga電車のビデオミラーカバーです。

また、トラクターや播種機のプロトタイプも製作しています。農業用機械の製造には製品のプロトタイプが必要不可欠です。以下は、トラクターのストップテールランプです。

処理前

処理前

処理後

処理後

処理後

処理後

3D印刷の前後の製造

Raise3D 1つの部品数が年間1,000ユニットを超えない場合、3Dプリンターを使用した生産が企業にとって利益があるという調査データを御社のWebサイトで拝見しました。これについてどのようにお考えでしょうか?

2050.AT鉄道産業での良い例を挙げると、列車の運転室のコントロールパネルにあるスイッチなどがあります。これらの小さな部は、頻繁ではないですが定期的に破損することがあり、このスイッチがないと、列車はレール上を走ることができません。さらに、ロシア鉄道技術監査センターが修理された列車に対して検査を行います。全てのメンテナンス・部品保修に関しては、当初の設計に準拠する必要があり、もし検査に合格できない場合には、企業にダウンタイムと損失があることを意味します。

また、鉄道メーカーはスイッチ単体での販売をしておらず、周辺機器もセットで購入する必要があります。そういった場合、3Dプリンターを使用してプリントすることで、スイッチのみを迅速に交換することができます。

 

Raise3Dを選択した理由

Raise3DなぜRaise3Dを選んでいただいたのですか?またどういった点を重視されましたか?

2050.AT「まず、ideaMakerような多機能なソフトウェアとRaiseCloudような便利なクラウドプラットフォームを備えた低価格3Dプリンターは他にはありません。」

弊社の全ての3Dプリンターはクラウドに接続されています。同じ価格帯で他メーカーの製品では、実現できません。

またRaiseCloudと内部カメラを積極的に活用しています。週末に部品をプリントするとき、離れていてもRaiseCloudを介してプロセスと状況を確認することができます。

「ソフトウェアのideaMakerに関しては、現在に市場の中で最も高い機能を有していると考えています。また、絶えずアップデートされ改善されています」

今まで、市場にはこのような高い信頼性かつ高品質を備えたプリンターはほとんどありませんでした。こういった理由からRaise3Dを選び、今では20台を導入することとなりました。

Raise3Dの操作やメンテナンスも簡単で、印刷方法、加熱の場所、エアフローをオンにする場所などを社員は全て理解しています。「また私たちは、Raise3Dが提供するサポートとガイダンス、問題に対して支援し解決する姿勢に非常に満足しています。」

材料選択の柔軟性

Raise3D印刷で主に使用されている材料は何ですか?

2050.AT市場にある様々な材料を試しておりますが、ABSをメインで使用しており、頻繁ではありませんがPLAも使用することがあります。

私たちは最近、ツポレフ(PJSC。ミサイル空母と爆撃機、特殊用途航空機の設計、生産、アフターサービスの分野でロシアの大手企業)向けに、ABSからプレス金型を製作しました。ツポレフは、1立方センチメートルあたり300 kgの荷重で薄いアルミニウムから型押しできる金型を必要としていました。

その結果、5〜6センチメートルの厚さ、充填率100%で印刷された製品は、約400 kgにも耐えることができました。

Raise3D独自の材料について詳しく教えてください。

2050.ATこれは、Siburと共同開発したRaise3Dプリンターに適合した、黒と白のガラス繊維入りポリプロピレンです。非常に重い負荷に耐えることができます。材料を開発し、中国の生産ラインで製造しました。近い将来、中国でフィラメントの生産ラインを買い取る予定です。私たちには多くの計画とタスクがあり、可能な限りあらゆる方法で生産を最適化し、3Dテクノロジーを使用して最速かつ最高品質の生産プロセスの確立を目指しています。

 

その他 3Dプリント部品事例

列車用パーツ、エアホースブラケット

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線路を移動させる際に使用する設備

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兵士のフィギュア(高さ70cm)

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その他のプリント部品

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日本3Dプリンター編集部 Raise3Dチーム

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